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  • YUTAKA FUKUDA × ZEPPELIN 空への憧れが、腕元に宿るとき ライター・編集者 福田豊

    「ツェッペリンという名前には、昔から特別な想いがあるんです」

     

    そう語る福田さん。若い頃から硬式飛行船ツェッペリン号に強い興味を抱き、80年代から洋書の写真集を買い集めていたと打ち明ける。エジプトのピラミッドを空から捉えた写真や日本の霞ヶ浦に来航した際の記録。上流貴族の紳士淑女がドレスアップして乗り込み、食事を楽しみながら空の旅をしていたという、20世紀初頭の光景が克明に写し出されている。

     

    一般の人々が“空を旅する”という体験を初めて可能にしたのが、ツェッペリンではないでしょうか。サン=テグジュペリの小説で描かれた郵便飛行の飛行士たちだけが見ることのできた空からの景色を、ツェッペリンは優雅な空の旅で見せてくれた。そう思うとワクワクしますよね」

    ツェッペリンが備える巨大な骨組み構造や、流線形のフォルム。福田さんが惹かれるのは、単なるロマンだけではない。もともと建築設計に携わっていた経験から、硬式飛行船は“飛ぶ建築物”としての興味もそそられた。

     

    「構造そのものが美しい。20世紀初頭のテクノロジーって、いまの目で見るとレトロフューチャーだけど、当時は最先端。理由があって、あの形になっているんですよね。その合理性と機械的な佇まいが、たまらないんです」

    そうした航空史をモチーフに本質を追求した時計づくりを目指しているドイツ発の時計ブランド、ツェッペリンの存在も、福田さんの心の琴線に触れた。

     

    「他にない世界観ですよね。ただの“クラシック調の時計”ではなく、“空の優雅な旅”という明確な物語を持っている。今の世の中、人はプロダクトの善し悪しだけでなく、背景にあるストーリーを求めているものです。スイス時計が土地や職人の話で魅せてきたように、ツェッペリンにも航空史やドイツの工房という類まれな魅力を秘めています。惜しむらくは、そうしたストーリーがまだ伝わりきれていないこと。このブランドは、もっともっと高く評価される素地を有していると感じます」

    さらに、もうひとつ大切にしているのが、「手の届く機械式」という価値だ。

     

    「若い世代が、次のボーナスで“時計を買おうかな”と思える価格帯って、実はどんどん減っているんです。その中で、この価格帯で、ちゃんと仕上げがよくて、デザインもよくて、ムーブメントも安心できる。ツェッペリンは、奥深い時計の世界に一歩踏み出すのに最適な、数少ないブランドのひとつだと思います」

    今回、福田さんが着用したのは、「100周年記念シリーズ オープンハート・オートマティック」のケースをゴールドカラーで彩った[7662-8]。1930年代、ツェッペリン飛行船の客室で、盛装した紳士淑女たちが“空の窓”から景色を眺めていた情景を着想源とする、日本限定モデルだ。

     

    「ボンベダイヤルにゴールドケースの色が写り込む感じが印象的。地平線に沈む太陽の日差しが飛行船の客室に差し込んでくる……そんなイメージが浮かびました。旅情を掻き立てます」

     

     

    また、フェイスに現れる“わずかな不均衡”にも注目した。

     

    「スモールセコンドの位置とか、オープンハートの開口部とか、パッと見はアンバランス。でも、それがメカメカしくていい。構造が見える感じが、飛行船の骨組みとどこか重なるんですよ。オープンハートも、飛行船のエンジンを思わせるようでいいアクセントになっています。また、夜光入りのブレゲ針って意外と珍しくていいですね。クラシックだけど、ちゃんと旅時計として成立している。こういうところに、“空の旅に使える道具”というストーリーを感じます」

    普段はロックな服装からダンディズム漂う装いまでを着こなし、遊び心のある大人のスタイルを実践する福田さん。この時計にはドレスカジュアルが相応しいと即答する。

     

    「スーツにノーネクタイくらいがちょうどいいですね。パーティーシーンでもいいし、“ここぞ”という非日常の時間に着けていきたくなる。楽しい気持ちにさせてくれる一本ですよね」

    インタビューの終盤、福田さんはこんな話もしてくれた。

     

    「時計って、実用品としてはもう必要ないですよね。スマホがある。でも、ネクタイと同じで、“なくてもいいけど、あると嬉しい”存在になれたらいい。勝負ネクタイがあるように、勝負時計があっていい。機械式時計も、そういう位置づけになれたらと思うんです」

     

    優雅な空の旅。地上から切り離された特別な感覚。この腕時計で表現しようとしているのは、まさにそんな“日常からの離脱”だ。

     

    「航空史をまとえる機械式時計がある。もっと広く知られてほしいですね」

     

    福田さんの静かな語りの奥には、空への憧れと機械への敬意が確かに宿っている。ツェッペリンは、そうした想いにそっと寄り添いながら、腕元で“旅の時間”を刻み続ける。

    福田豊

    ライター・編集者

    通称、ロック福田建築設計の経験を経て出版業界へ転身し、『LEON』『ENGINE』『Chronos日本版』などで執筆。FORZA STYLEの動画連載「ロック福田の腕時計魂!」に出演。機械式時計の魅力を発信する。ロック音楽を愛する趣味人としても知られる。

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